本研究では, 蒸気前駆物質を利用した蛍光ナノ粒子の気相燃焼合成法において, 合成された粒子の形状特性及び蛍光発光特性について検討を加えた. また, 噴霧液滴前駆物質を利用した気相燃焼合成法についても実施した. 測定・分析ではTEM, SEM観察, XRD分析及び蛍光分光計測を実施した. 結果, 蒸気前駆物質を利用した際には, 粒子サイズは前駆物質蒸気分圧, 合成火炎温度及び合成燃焼場圧力の各条件に依存するが, 蛍光発光強度は合成火炎温度のみに依存することが分かり, この発光の依存性は合成火炎温度の違いによる結晶構造の変化に起因していることが明らかとなった. また, 噴霧液滴前駆物質を利用した際には, ナノ粒子のサイズは噴霧液滴径と濃度にのみ強く依存することが明らかとなった.
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