本研究では, 「平面構成」の新しい自習方法を提案し, そのためのツールを設計・開発する.
人と人とのコミュニケーション方法は, 今までは文章を書くことや会話することが中心であった. しかし, コンピュータやインターネット環境が広まり, 言葉や文字以外のヴィジュアルコミュニケーション, 言い換えれば図や写真, 映像等を中心にした視覚伝達を図ることが重要になってきた. ところが, 誰もがヴィジュアルコミュニケーションを上手に出来るわけではない. また,ヴィジュアルコミュニケーションは美術・デザイン系の大学学部, 専門学校において学ぶものであり, 誰もが簡単に学べるというものではない.
本研究では上記を問題として捉え, 解決するために, イメージを的確に表現する画面構成力, すなわち「平面構成」を学ぶことに着目する. 従来, 平面構成はデザイン基礎教育の一端を担うものとして学校で専門家から学ぶものであった. 先生が生徒の作ったものを講評し, 点数をつけ, また学習を繰り返す. しかし, ヴィジュアルコミュニケーションの日常化により, 専門家が身近にいない環境の一般人が平面構成を手軽に独習する効果的な方法が必要となってきた.
上記を踏まえ, 特別な書籍・カリキュラムを使用せず, 好きな時に手軽に自学自習する, 新しい平面構成の学びを提案し, タブレット型PCで動作するツールを設計・実装する. その後, ユーザーによる利用実験および評価を通して, 有効性を検証する.
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