近年、都市化や核家族化の影響により地域のコミュニティは薄れ、高齢者の孤立の一因となっている.社会との接点を持ちにくい高齢者にとって、社会参加や自己実現、生活の見守りのためにICT技術を利用することは非常に有効である. しかし、高齢者にとってICT機器は大きな障壁となり、大きな問題として挙げられるのがユーザインターフェイスである.本研究では、高齢者が抵抗無く使えるユーザインターフェイスの開発を目的とする. まずは既存サーピスのユーザインターフェイスを調査し、現状の問題点を明らかにし、それを踏まえて高齢者が今までの生活の中で慣れ親しんだ、居舗での買い物の演出を取り入れることで高齢者の抵抗を減らすことができると仮定し、インターフェイスの開発を行った. 高齢者にも使い易い操作デバイスを吟味し、テレビリモコンを用いたユーザインターフェイスとタブレットデバイスを用いたユーザインターフェイスを作成し、高齢者を対象に評価実験を行い、評価を行った.実験とインタピ、ューの結果、テレビリモコンを用いた方は操作に混乱をきたす高齢者が多く課題が残ったが、直感的な操作であるタブレットデバイスを用いた方は混乱も少なく好感を持って受け入れられた高齢者に抵抗の少ないインターフェイスの開発において、直感的な操作法、慣れ親しんだ演出を取り入れることが有効であると証明できた.

修士学位論文. 2011年度メディアデザイン学 第154号