本論文は、コンテンツ産業の時代に韓国マンガ産業が持っている対内的な問題を解決し、韓国マンガ産業の市場を広げるための新しい海外市場戦略モデルの提示を目的とする。これを叶えるための研究は、大きく海外の文化産業の比較を通した韓国マンガ産業の世界的位置と問題点の把握、メジャー市場の戦略を基にした戦略モデルの模索、戦略モデルを活用したプロジェクトの施行及び評価に分けられる。
研究方法は、まずマンガ産業に対する全般的な理解のために、関連機関の統計資料と既存の論文を中心にする文献研究を試み、この理論的研究(筆者の)現場経験を基に仮説を立てた後、戦略モデルを築いた。その過程で仮説の検証と、より効果的な戦略モデルを築くため専門家の深層インタビューを行った。こうして築いたモデルは韓国漫画映像振興員の支援を得て、実際にプロジェクトを起こし、約7ヶ月間かけて行われた。プロジェクトの評価は実際の参加者を対象にしたアンケートを活用し、客観性を得ようとした。
本研究では、プロデュースシステムを活用した戦略モデルの提示とプロジェクト施行を通して、韓国マンガ産業へのプロデュースシステムの導入の必要性を検証し、プロジェクトの中で韓国の作品が日本のウェブサイトに掲載される所定の成果を挙げた。また、本研究は韓国マンガ産業には新しい代案を提示し、日本のマンガ産業には韓国マンガに対する認識の変化をもたらした点、プロジェクト自体が一つの新しい試みとして、これから起きる様々な海外進出戦略のモデルになった点で意義がある。
最後に、本プロジェクトの過程で提起された問題点を基に、現在の戦略モデルを発展させる方法だけでなく、韓国型のプロデュースシステムを築き、定着させる必要性を提示した。従って、今後の研究では、韓国型のプロデュースシステムを築くための良い編集者の育成に対する研究と、このシステムを利用して作られた良質のマンガの海外進出の方法に対する具体的な戦略研究が行われるべきである。

修士学位論文. 2010年度メディアデザイン学 第120号