本論文では, 誰でも一枚の顔写真からオリジナルキャラクタ及びそのフィギュアを制作出来る手法を提案するものである. そのために, 顔画像に基づくオリジナル3Dキャラクタ生成システムの開発を行った. 3Dキャラクタ生成システムとはユーザの所有する任意の顔画像を画像解析し, 特徴を抽出しデフォルメすることで, その人物をモチーフとした3Dキャラクタを生成するシステムである. そして, このシステムを中心とし, 誰にでも容易にキャラクタライズを行えるソフトウェアを構築した. 生成されるキャラクタの3Dデータを書き出し, 3Dプリンタで出力することによってオリジナルフィギュアの作成が可能である. ソフトウェアに入力する顔画像は任意のものであり, 家族や友人, 知人などのフィギュアを作ることを支援する. そのため, ユーザが誰かに手作りフィギュアをプレゼントすることを想定し, それは, "あげて嬉しい, もらって嬉しい"というコミュニケーションを生む. 制作されるフィギュアは, ユーザの想いをこめることが出来るものであり, そのフィギュアがコミュニケーションを創出すると考える. 本論文では, このフィギュア制作の体験をユーザテストという形で検証した. その結果, ユーザは本ソフトウェアを用いることで, キャラクタ及びそのフィギュアの制作が可能であることを確認した.

修士学位論文. 2010年度メディアデザイン学 第93号