企業が激しい環境変化に直面している状況では,漸進的な戦略変化では対処できず,不連続的な戦略ソフトが必要とされる。このような大きな戦略シフトを,企業が達成するためには,組織が十分に機能できなければならない。戦略は計画的な側面をもつが,創発的な側面をもつものであり,大きな戦略的シフトのためには創発的戦略の側面をかなり重視する必要がある。そのためにはトップ・マネジメントのマネジメント・スタイル,それに基づいた組織構造の構築,組織運営のあり方が重要な意義をもつといえる。このため本稿では従来の組織の適合概念について検討し,この概念が安定した環境で妥当するものであるという点を指摘し,不連続的な戦略シフトのためには戦略的組織概念の構築が必要であることを明らかにし,その枠組みの呈示を試みたい。
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