近年、グローバル化と情報化の進展により、社会の多くの場面でさまざまな変化が起きている。複雑化・加速化している社会の変化は現代に求められている人材像にも影響を与えている。このような背景を踏まえて、世界各国の教育の場では、従来の知識や思考力をベースにした学力観に加えて、自ら問題意識をもって課題を探し出し、必要な情報を集めて分析し、意見を異にする多様な人たちと議論して解決策を求め、実際に実行して解決するという一連の活動に必要な能力や知識などといった21世紀型スキルを子どもたちが身に付けるべきであるという動きが盛んである。これからの時代を担う子どもたちに求められる力が何であるかについては、色々な見方があるが、本橋では、DiTTで重視している21世紀型スキルを参考にし、市民としての意識やグローバルな視点にフォーカスを当てる。異質なものを理解・共感できる力を持ち、グローバル社会の一員として世界で起る多様な世界の問題に関心を持って、その問題の解決のため参加する、グローバル市民を育むためのGood Global Citizenプロジェクトを設計し、露・韓の小学校4年生に授業を行った。この研究を通じて、Good Global Citizenプロジェクトを子どもに提供することにより、子どもの世界の問題に対する興味と関心度が高くなり、世界の問題の解決に対する参加意識も向上したことが分かった。

修士学位論文. 2011年度メディアデザイン学 第160号