今日の地域活性化の議論においては, 「地域ブランド構築」や「6次産業化」がキーワードとして挙げられる。しかし, それらはイメージだけで論じられることが多く, 行政主導の制度設計が進められる一方で, 実際に携わる企業や事業者の観点, あるいは経営学的な検討は含まれておらず, 現実において, 成功的な事例は多くない。当稿では, 6次産業化について, 具体的・合理的に分析すべく, ケイパビリティ論アプローチを採用する。まず, ケイパビリティ論の観点から, 6次産業というビジネス・モデルについて理論的に考察し, その観点から, 茨城県と鎧塚氏のコラボレーションという具体的な成功事例を説明することで, 効果的な6次産業化や地域ブランドについてのインプリケーションを得ることを試みる。
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