近年, グローバル化の進展に伴い, 企業の経営活動は容易に国境を超えるようになった。貿易の活発化はさることながら, 在外企業に対し実質的な支配権を行使することを目的とした対外M&Aも増加傾向にある。しかし, この対外M&Aは, 財務会計の分野において十分に検討されているとは言えない。本稿は, 対外M&Aの会計処理を, 多国籍企業経営論の視点を織り込みながら考察するものである。会計が, 一面において財や経営の実態を写像する行為だとすれば, 在外子会社の経営実態を分析し, その実態に整合する会計処理を導出することには意義がある。
上記の問題意識の下, 対外M&Aに関する会計処理を分析すると, 在外子会社の経営実態としては, ただ1つのものが想定されていることがわかる。これを問題点と捉え, 以降, 在外子会社の経営実態を4つに分類し, それぞれの経営実態と整合的な会計処理を導出している。
Recent years, corporate operation easily crosses a national boundary hand in hand with the development of globalization.
Not only trade but cross border M&A with the aim of gaining its control on foreign company tend to increase.
However, the cross border M&A isn't considered well from financial accounting view.
This article deals with the accounting process of it while mentioning the theory of multinational corporation management.
I propose the accounting process so as to adjust the actual management condition of foreign subsidiary.
Concretely, I suppose four actual management conditions to advance the argument.
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