今年度は, 最近の中国の航空交通管制に関する資料を広範囲に収集し, 分類整理した。とりわけ, 近年の中国の航空交通の発達ぶりと, これに対応する航空交通管制システムの近代化に焦点を絞った資料・情報の収集を行った。最近の中国では, 民間航空の発展に伴って, その民間航空史や航空交通行政, 航空法規, 航空技術に関する書籍が多数出版されているため, それらをできるだけ網羅的に入手した。
また, 2018年初頭に, 台湾海峡の中間線より中国側に設定された新たな国際航空路M503の運用に対して, 台湾側がこれに強く反発し問題化した。これは中台の政治関係に関わる問題であると同時に, 台湾の国防や中国の軍事安全保障政策にも及ぶ複雑な問題であり, ここに本研究の有用な題材が含まれていると思われる。そこで, この問題に関する中台双方の報道や資料等を集積した。
さらに, 米国カリフォルニア大学及びスタンフォード大学に所蔵される中国の安全保障関係の文献の収集を行うとともに, 従前より引き続き中国軍の機関紙『解放軍報』を精査して, 中国軍の発展と改革をめぐる動向を分析検討した。
これらのことにより, 今後の研究の基礎を築くことができた。
Basic research for this subject as below :
・Collecting books, articles, information on Chinese civil aviaion, air traffic control, aeronautical law and technology.
・Collecting the press reports, documents and information on the international airway M503 above the Taiwan Strait which became an political and military issues between China and Taiwan in January, 2018.
・Searching for documents and articles on Chinese security policy at University of California and Stanford University.
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