エンターテイメントショーの公演形態は様々であり、その手法も多岐にわたる。特に現代社会ではインターネットの普及により、その場に足を運ばなくてもライブ・公演を楽しめる環境があり、視聴者にもそれを便利なエンターテイメントの形として楽しまれている。その一方で、ローカルならではの独特のライブの臨場感というものを味わうために、わざわざ会場まで足を運ぶ人も多い。既に高速ネットワークを介した音楽パフォーマンスなどが行われているが、遠隔地でリアルタイムでのスクリーンに映し出された相手と共演するミュージカルパフォーマンスは行われていない。本研究では、高速ネットワークを介した遠隔地において、音楽・パフォーマンスだけでなく、新しい試みとしてストーリー展開まで同期させたインタラクティブエンターテイメントショーという、新たなパフォーマンス形態を開拓すべく、実験的に舞台を作り上げ、その新しいエンターテイメントの形の可能性を探る。また、自ら演技者/演出家として参加することで、技術的に問題が残っている部分をカバーするために必要な演出・演技方法と、高速ネットワークという技術を活かすためのステージング方法を模索することで、次世代のエンターテイメントショーとしての実用性、現実性を検証する。

修士学位論文. 2010年度メディアデザイン学 第98号