今日のインターネットでは計算機以外の機器も接続されるようになった. しかし, 計算機以外をインターネットに接続するには, それぞれ独自の設定環境が必要となる. そこで, 機器を管理, 制御, 通信可能なグローバルコンピューティング環境を構築することで, 統一された環境でインターネットに接続されたホストを管理, 制御, 機器間通信を可能とする. グローバルコンピューティングとはインターネットに接続された機器を自律的に発見し, 機器の制御, 管理, 機器間通信をすべての機器に対して行うことができる統合された環境である. グローバルコンピューティング環境にはホストの自律的発見, ホスト情報の取得, ホスト情報の提供機構が必要である. 本研究ではこれらの機構を有しホスト情報を可視化する機器管理システムを作成した. ホストの自律的発見機構は, ネットワークを流れているパケットを取得し, IPアドレス設定プロトコルを用いてホストを発見する. 同時にホスト情報もアドレス設定プロトコルから取得する. ネットワークに接続機器は必ずアドレス設定をするため, グローバルコンピューティング環境にも対応可能である. ヘッダフォーマットにしたがってホスト情報を提供し, 可視化する. 提案システムがグローバルコンピューティング環境に対応可能かについて評価した. 実験ではDHCPモジュールとDHCPログの対応性及び応答時間の計測を行った. 実験の結果, ホスト情報を全て取得できたが, 一定以上のスケーラビリティに課題を残した.
|