評価規約を規定する要因としては，計算対象，計算方式，および計算対象と計算方式との関係の三者を本稿は想定しているが，この枠組によれば，米山学説の場合，計算対象に関しては事業資産・金融資産分類，計算方式に関しては配分・評価分類，そしてその両分類の関係としては配分・評価分類を規準にして事業資産・金融資産分類を再構成するという上位・下位関係性という特質が指摘できよう。
その概要を本号および次号において紹介する。しかし，このうち配分・評価分類については，その内容が，必ずしも一義的ではない。すなわち，損益計算要素の数あるいはフローとストックとの関係といった計算方式の属性の側面のみならず，計算方式に関する計算目的の側面にもかかわっているようである。そこで，後者の側面，および両分類の関係の紹介は，次号に譲ることにする。

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