消費者の意思決定は,過去の経験に基づく知識と,外部からの情報をあわせて行うことが知られている。本稿ではその中でも外部からの情報に注目し,消費者の意思決定プロセスと外部情報の関連を理論面からまず言及した。消費者の意思決定プロセスには,プロセスごとに役割が異なり,その役割に応じた情報が必要となること,従って,そのプロセスに応じて必要とされる情報源も異なるはず,という知見が得られた。次に,実際のデータを用いて,理論研究から得られた知見を確かめてみた。その結果,商品カテゴリーが異なれば,消費者が利用する情報源が異なること,意思決定のプロセスごとに利用される情報源が異なること,情報源は受動的な情報源,能動的な情報源,半能動的な情報源に分かれること,利用される情報源の違いから,商品分類が可能なこと,など多くの知見が得られた。
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