1878年,The City of Glasgow Bankは支払いを停止した。爾後わずか数年間にScotlandの銀行界において外部監査,会計士監査,および有限責任制度の採用をみる。The City of Glasgow Bankの破産をうけ成立したThe Companies Act 1879は,有限責任制度の採用を容易化,さらに強制監査の規定をもうけた。The City of Glasgow Bankの破産は株主に破滅をもたらした。これは同行が無限責任銀行であったことによる。The City of Glasgow Bankの破産は計算書類の粉飾をともなっていた。これは同行において外部監査,会計士監査がおこなわれていなかったことによる。同行の破産はScotlandの銀行界にくさぐさの改革をもたらす。さりながら,The City of Glasgow Bankの破産,-The Companies Act 1879,-諸改革,という図式は皮相的にすぎる,と本稿はいう。本稿は,いわばScotland銀行小史をてがかりとし,またそのかみのいわば無限責任制度観をひとつの軸とし,The City of Glasgow Bankの粉飾,破産のもつ意義を検討する。英国会計史上,強制監査制度の再導入をもって知名のThe Companies Act 1879の意義もまた,Scotland銀行史の観点より再吟味される。
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