専門職はThe Victorian Ageにおいて確立をみる。くさぐさの専門職のおいたちをたどってみるに,各専門職域に共通のいわば成長patternをみいだしうる。本稿は,この成長patternを確認しつつ,会計専門職域の生々をみる。対象としてはScotlandの会計専門職が選択される。これは,この国の会計士がもっともはやく集団化をなしとげたことによる。専門職の歴史において集団化のもつ意味はきわめておおきい。The Institute of Accountants in Edinburgh, The Institute of Accountants in Glasgow,およびThe Society of Accountants in Aberdeen,これらの設立前後の情況が観察される。専門職域の生成過程をみるさいのかなめは,中産階級のひとびとがいかにして社会的なprestigeを追求したか,という点にある。これは各専門職域に共通のかなめである,とともに,会計専門職の特殊性もまたここにある。特殊性の要因がふたつある。,ひとつの要因は,法律専門職との関係のなかにみいだしうる。この国,とりわけEdinburghにあっては,会計士は法律専門職域の成員とみなされていた。このことのもつ意味が検討される。いまひとつの要因は,破産への干与にもとめうる。会計専門職の生々は破産にかかわる業務を糧とした。破産への干与のあわせもつふたつの面があきらかにされる,とともに,会計士の集団化にさいしては,これの直接的な動機として,この種の業務の保持の必要があったことがしめされる。
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