本プロジェクトでは、個人・家計の国際貿易、とくに自由貿易と保護貿易、グローバリゼーションに対する考え方を実証的に分析した。戦後、自由貿易が進展してきたが、近年になり、保護主義が世界的に急速に蔓延している。しかし、個人レベルではどのような人々がどのように考えているかは未解明な部分が多い。そこで日本においてTPP批准による家計への影響を計量分析した。データは慶應家計調査パネルKHPS・JHPSを用いて計量分析した。推計の結果、個々人の特性、例えば性別、年齢、教育、所得、資産などのみならず、非認知的な能力(例えば、道徳心やリスク、モラル)、地域特性など様々な面で、個人の保護主義や自由貿易に対する考え方、移民やグローバリゼーションの考え方に影響を及ぼしていることが分かった。
この研究成果は2019年8月に経済産業研究所(RIETI)の国際ワークショップにて口頭発表した。さらに論文として英文にてまとめ、DPを発行し、今後、査証付きの国際的なジャーナルに投稿し、早期の採択を目指す。
In this project we investigate individuals preference on trade liberalization using the Japanese household survey, Keio Household Panel Survey (KHPS). As a result, preferences toward trade liberalization are affected by economic factors (income, gender, family, financial asset, and job status) as well as non-economic factors (non-cognitive factors, moral, ethics and social stance). In addition,we find that regional (prefectural) factors also matter.