近年, 男性の育児参加が社会的に推進されている。しかし, 男性の家事育児時間は欧米に比べるとまだまだ少なく, 育児休業取得に至っては, 2011年の2.63%が最大であり, 十分に育児参加できているとは言い難い。そこで, 本研究は, 小学校就学前の子どものいる家庭生活における夫婦双方が満足する家事育児参加を促すには, どのような要素が必要であるかを探ることを目的とする。文献調査から, 男性が考える育児と女性が男性に求める育児について違いがあることが示唆され, アンケート調査より, 男女の役割意識に違いがあることが示され, 役割意識を一致させるためには, 「家事育児に関する会話時間」が必要であることがわかった。また, インタビュー調査より, 「価値観の一致」「主体性を持って取り組む」ことが重要であり, それらを促すために, 「会話」「子どもとの触れ合い」「女性のサポート」が必要であることが示唆された。以上の結果から, 男性がよりよい育児にするために「価値観の共有」「会話時間と質の確保」「主体性の喚起」「目的意識の芽生え」「子どもとの触れ合い」の5項目を必要な因子として示し, より多くを満たすことが必要であると本研究では結論付ける。
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