2017年3月11日から21日までフランス, パリに滞在し, 主に以下の4つの作業をおこなった。
1, ミシェル・カルージュのご子息であるJean-Louis Couturier氏と会見し, カルージュについての聞き取り調査の2度目をおこなった。水声社より出版が決まっている単著『ミシェル・カルージュ』(シュルレアリスムの25時シリーズの一冊)において, カルージュの伝記を執筆予定であるが, 活字になっている資料はほとんどなく, カルージュの生涯, 友人関係については聞き取り調査に頼るしかない。Jean-Louis Couturier氏はカルージュのご子息であるばかりか, 『独身者機械』のイラストを担当するなど著作とも深く関わっており, その証言は貴重である。今回はパリで開催されていた独身者機械作品のひとつ, 『モレルの発明』にちなむ展覧会のレセプションに招待され, 主催者のThierry Dufrêne氏とも会見, カルージュについて議論を交わした。
2, フランス国立図書館で, ミシェル・カルージュについての資料を閲覧, 上記単著の執筆作業をおこなった。
3, フランス国立図書館で, 独身者機械作品のひとつヴィリエ・ド・リラダン伯爵『未来のイヴ』の翻訳作業を進めた。
4, ボルドー大学教授Olivier Bessard-Banquy氏と会見し, 私が編者となってフランスで刊行を計画している Michel Carrouges, Les Machines célibatairesについて打ち合わせをおこなった。Bessard-Banquy氏は本研究のテーマである独身者機械論にも造詣が深い。原稿が出来次第, フランスのいくつかの出版社にあたることを約束してくれた。
著作『ミシェル・カルージュ』の刊行予定が近づいているが, Jean-Louis Couturier氏にはさらなるインタヴューが必要であると感じている。今回の調査を本年度中にまとめ, 夏季ないしは春季休暇において, 第3回目の聞き取り調査をおこなう予定である。
I stayed in Paris, France March 2017, and carried out the following four works. 1, an interview with Mr. Jean-Louis Couturier who is a son of Michel Carrouges. 2, a research of documents at the French National Library. 3, the translation of "Future Eve", one of "the bachelor machines", into Japanese. 4. a meeting with Professor Olivier Bessard-Banquy, to publish in France Michel Carrouges' "The bachelor machines".
I need another interview with Mr. Jean-Louis Couturier during summer or spring vacation 2018 for finishing my work.
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